北部タイを旅しよう【前編】

2019.07.07

JIROKO

【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】

タイの全77県のうち、タイの北部は全部で17県あります。
個人的な嗜好と独自の見解のもと、今回は北部の中でも上のほうに位置する8県をご紹介します。
チェンマイ県や北部の下のほうに位置する8県の記事はこちらをご覧ください。

 チェンライ県

チェンライで有名なお寺と言えば、ワット・ロン・クンで間違いありません。
白亜の地獄寺は外見の美しさに加え、地獄から伸びるたくさんの手に圧巻されることでしょう。
お寺の中の壁に著作権アウトなイラストがたくさん書かれていて、タイらしいなと笑ってしまうユーモア?もバッチリです。
敷地内の黄金のトイレも見所ポイントです。
チェンライ市街から北西方向に14kmの距離に位置しています。

地獄寺としてバーン・ダム・ミュージアムもオススメです。
黒で統一されたランナー様式のお寺では、ワニや蛇の毛皮、水牛の骨、怪しげな像、不可解で奇抜なアートたちが出迎えてくれます。
個人的なオススメは開かない扉の建物で、扉の隙間から室内を覗いたアナタはゾワッとすること間違いなし。
チェンライ市街から北に10kmほどの距離に位置しています。

メーサイはタイ最北端の街で、ミャンマーと陸路で繋がっています。
頰に「タナカ」と呼ばれる粉を塗っているミャンマー風のお化粧をしている女性がチラホラいて、タイにいながらミャンマーらしさを感じることができます。
異国の雰囲気が混じる国境の街は歩くだけで楽しくなります。
チェンライからは車で1時間ほどの距離に位置しています。

File:Mae Sai Pass in Chiang Rai.jpg” by Oatz Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

ゴールデントライアングルは過去に麻薬の密造地帯だったタイ、ラオス、ミャンマーの山岳地帯が隣接しあったエリアです。
パスポートの出入国スタンプなしで行けるラオス領のドンサオ島はこじんまりとしたお土産屋が並ぶ小さな観光ポイントです。
宿泊したこともありますが、あまり何もないところなのでのんびりする覚悟が無いと難しいかもしれません。
行くまでにそれなりの距離がありますので、訪れた!という満足感はバッチリです。
チェンライから車で1時間ほどの距離ですが、バスの場合は乗り継ぎがあるので結構な時間がかかります。

チェンライへのアクセス

複数の航空会社からバンコク発チェンライ空港行きの飛行機が出ています。
バンコクからチェンライ行きの長距離バスはナコンチャイエアーやソンバットツアーの利用がオススメです。

 ランパーン県

ランパーンでまず思い浮かぶのは馬車です。
タイで唯一馬車が走っている県で、馬車に乗って旧市街を巡るコースがあります。

ワット・プラプッタバート・スッターワートは天空の寺院とも呼ばれ、断崖絶壁に建っているお寺です。
ランパーンの街中から麓の駐車場まで約1時間20分、そこから専用の車(ソンテオ)に乗り、最後は急斜面と階段を登った末にたどり着ける観光ポイントです。

ランパーンとチェンマイの間に位置するタイ象保護センターでは、象使いの体験や象乗り体験、象のショーを楽しむことができます。
ランパーンからもチェンマイからもアクセスできますが、ランパーンからは約40分、チェンマイからは約1時間の距離にあります。

私の個人的な好みでランパーンの猫寺ワット・チェディ・サオ・ランをご紹介。
ランナー様式の20基のチェディが並んでいる寺院です。北タイ語で「20」は「サオ」と言います。
お寺の中にも外にも猫さん達がいますので、猫好き必見のポイントです。
ランパーンの市街地より北に6kmほどの距離に位置しています。

ランパーンへのアクセス

ノックエアーからバンコク発ランパーン空港行きの飛行機が1日数便出ています。
バンコクからランパーン行きの長距離バスはナコンチャイエアーやソンバットツアーの利用がオススメです。

 ランプーン県

ランプーン市街にあるワット・プラタート・ハリプンチャイは黄金の巨大チェディが有名な寺院です。
チェディの高さは46mで、1418年に建てられました。
寺院の隣にはハリプンチャイ博物館があり、ハリプンチャイ様式やランナー様式の陶磁器、仏像、石碑が展示されています。

ワット・チャーム・テーウィーは四角錐のチェディに合計60体の仏像が収められています。
昔は金色だったそうですが、現在はレンガがむき出しになっています。
チャーム・テーウィーはハリプンチャイ王国の初期の女王様の名前だそうです。
ランプーン市街より車で西に10分ほどの距離に位置しています。

ランプーンへのアクセス

ランプーンには空港がありません。
バンコク発チェンマイ空港行きの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからランプーン行きの長距離バスはナコンチャイエアーかソンバットツアーの利用がオススメです。

 メーホンソン県

メーホンソンはチョーン・カム湖周辺にゲストハウスが多く、こじんまりとした可愛らしい場所です。
湖のほとりにはワット・チョーン・カム(写真の左)とワット・チョーン・クラン(写真の右)があり、夜は湖に反射して幻想的な景色を見せてくれます。
このお寺の前で開催される10月〜2月限定のナイトマーケットではメーホンソン独特の可愛い小物を買うことができます。

ワット・プラタート・ドーイ・コーン・ムーはメーホンソンの街並みを見下ろせるコーン・ムー山の山頂にある寺院です。
麓から登山道を登るか(約20分)、車でも行くことができます。
乾季の早朝に訪れたことがありますが、かなり寒かったので寒さ対策をして向かいましょう。

File:Maehongson 003.JPG” by (WT-shared) Maehongson at wts wikivoyage Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

タム・ロートは本格的な洞窟探検のできる観光ポイントです。
洞窟の中では鍾乳石や壁画を見ることができますが、中は真っ暗で明かりを持ったガイドさんに連れられて洞窟を進んでいくことになります。
メーホンソン市街から東に約60kmの距離に位置しています。

パースア滝は横に幅広い滝で、雨季には大変見応えのある滝です。
周囲には竹林があって、澄んだ空気を体感することができます。
メーホンソン市街より北に約22kmの距離に位置しています。

File:Maehongson 001.JPG” by (WT-shared) Maehongson at wts wikivoyage Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

メーホンソンで有名なのがパドゥン・カレン族の村です。
近郊にはナイソイ村、フアイ・スア・タオ村、ナム・ピアン・ディン村があります。
村の中は観光地化されていて、土産物屋がポツリポツリと並んでいます。
ガイドの人にお願いをすることで、同じく近郊のアカ族やヤオ族、リス族、モン族の方々の集落に連れて行ってもらえます。
本当にただの集落なのでくれぐれも敬意を払い、写真を撮影させてもらうときにはチップを忘れないようにしましょう。

File:MaeHongSon001.jpg” by kaz777 Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

パーイはチェンマイとメーホンソンを結ぶバスの休憩地点に使われる街です。
バックパッカーに愛されている街で、パーイ独特ののんびりした雰囲気に魅了されてしまう人がいるようです。
メーホンソンからバスで約3時間半の距離ですが、激しいカーブの連続なので酔い止め必須の行程になります。

メーホンソンへのアクセス

ノックエアーからバンコク発メーホンソン空港行きの直通便が飛んでいますが、毎日の運行ではないようです。
その他の航空会社を利用する場合はチェンマイ空港を経由してメーホンソン空港に行く方法となります。
バンコクからメーホンソン行きの長距離バスはソンバットツアーの利用がオススメです。

 パヤオ県

特筆すべきポイントが少ない県で、大きな湖であるパヤオ湖(クワン・パヤオ)があるくらいでしょうか。
パヤオ湖はオブジェが点在して浮かんでいますので、湖畔の散歩やサイクリングを楽しむ分には良いかもしれません。
とにかくのどかな県で、のんびりとした風情が印象的な県です。

Phayao Lake, Phayao Province” by Oatz Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

パヤオへのアクセス

パヤオには空港がありません。
バンコク発チェンライ空港行き、あるいは、ランパーン空港行きの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからパヤオ行きの長距離バスはソンバットツアーの利用がオススメです。

 ナーン県

ナーン市街にあるワット・プーミンは十字形の左右対称な寺院です。
ジャータカの伝承やナーン地方の人々の生活が描かれた巨大な壁画があり、中でもランナーの「モナ・リザ」と呼ばれる愛をささやき合う絵画が有名です。
階段の両横にそびえ立つナーガ(蛇神)も迫力満点です。

ワット・プラタート・カオ・ノーイは標高240mのカオ・ノーイ山の山頂に位置する寺院です。
眼科を見下ろす黄金の仏像がある広場から臨む街並みは美しく、早朝の拝観も可能です。
麓からは303段の階段を登るか、車で登ることもできます。
ナーンナコン空港より南西方向に約7kmの距離に位置しています。

シーナーン国立公園はナーン川の流れる野生動物が多く生息する広大な自然公園です。
公園の中にあるドイ・サムー・ダーオは冬場の早朝に雲海を臨めるビューポイントとして有名です。

 “File:SriNan13.jpg” by Toey19863 Licensed under CC-by-sa 4.0 via Wikimedia Commons

ナーンへのアクセス

エアアジアからバンコク発ナーンナコン空港行きの飛行機が1日数便出ています。
バンコクからナーン行きの長距離バスはナコンチャイエアーかソンバットツアーの利用がオススメです。

 プレー県

新市街の端っこにあるワット・チョム・サワンはビルマ風の木造寺院です。
真っ赤な室内の天井に輝くシャンデリアがあるという一風変わったお寺です。

ぺ・ムアン・ピーは雨や風によって侵食されたキノコや柱のような奇石が点在する公園です。
古くからの言い伝えがあり、ゴーストタウンの異名も持ち合わせています。
プレーのバスターミナルから北西方向に約10kmの距離に位置しています。

プレーへのアクセス

便数は少ないですが、ノックエアーからバンコク発プレー空港行きの飛行機が出ています。
バンコクからプレー行きの長距離バスはナコンチャイエアーかソンバットツアーの利用がオススメです。

 ターク県

メーソートはミャンマーと陸路で繋がっている国境の街です。
街中にはミャンマー式のパゴダ(仏塔)があったり、市場ではミャンマー語の看板をあちこちで見かけます。
ミャンマーのヤンゴンを陸路で目指す際に、この異国情緒溢れるのどかな街に少し立ち寄るのも悪くありません。

タークへのアクセス

ノックエアーからバンコク発メーソート空港行きの飛行機が出ています。
バンコクからタークやメーソート行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。

JIROKO

バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。

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