北部タイを旅しよう【後編】

2019.11.23

JIROKO

【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】

タイの全77県のうち、タイの北部は全部で17県あります。
個人的な嗜好と独自の見解のもと、今回は北部の中でも下のほうに位置する8県をご紹介します。

チェンマイやタイ北部の上に位置する県の記事は下記をご覧ください。

 スコータイ県

かつてスコータイ王朝が君臨していた都市は、今もその跡地が大きく残されています。
スコータイ市街から西へ14kmの郊外にはスコータイ遺跡公園があり、北に50kmほどの位置にはシー・サッチャナーライ遺跡公園があります。
石造りのスコータイ遺跡は木造の多いアユタヤ遺跡よりも保存状態の良い寺院がたくさん残されています。

ワット・マハータートはスコータイ遺跡公園の城壁内のほぼ中央に位置しています。
スコータイ王朝における王室寺院であった最重要の建築物ですが、柱や台座しか残っていない部分も多くあります。
立ち並ぶ複数の柱を筆頭に、中央にあるスコータイ様式のチェディや東側の柱の間に立つ巨大な仏像などの見所ポイントがあります。

 “File:Wat Mahathat Sukhothai 08.jpg” by Public Domain Licensed under CC-by-sa 4.0 via Wikimedia Commons

ワット・トラパン・ングンはワット・マハータートの西側に位置しています。
銀の池と呼ばれる長方形の池があり、その池の中の小島にある寺院です。
スコータイ様式のハスのつぼみ型のチェディが特徴的です。

ワット・マハータートの北側に位置するワット・スラ・シーは橋を渡ってしか行けない寺院です。
中心にそびえる大きなチェディはスリランカ様式のものになります。
蓮の葉が浮かぶ池の中にある寺院は、遺跡公園の中でも少し変わった趣を感じられるでしょう。

ワット・シー・チュムはスコータイ遺跡公園の城壁から出て北西1.5kmに位置していて、少し距離がありますが見所のある寺院です。
壁の中に納まっている巨大な座仏像は、保存状態も良く、見る者を圧巻するでしょう。
外側から寺院を眺めると、壁の切れ目から仏像の顔を覗き見ることができます。

スコータイ遺跡公園の城壁から出て西側2.5kmほどの距離にあるワット・サパーン・ヒン。
見晴らしの良い丘の上に立つ寺院は、なかなかの急斜面を登った先に見ることのできる寺院です。
記憶にある方もいるかもしれませんが、2007年に日本人女性が殺害された現場です。
寺院へ続く道にある木々は広範囲に伐採されたようで、一番下から見上げると寺院までの直線距離が見えるほどになっています。
城壁外の寺院は人気が極端に少なくなりますが、この西側の寺院は特に人の少ないエリアです。
2013年に訪れた際には寺院の麓に警察官が2名いました。極力単独では訪れないようにしましょう。

シー・サッチャナーライ遺跡公園の中にある大規模な寺院ワット・チェディ・チェット・テーオです。
33基の大小さまざまな仏塔があり、メインの仏塔はハス型のスコータイ様式のものになります。
スコータイ遺跡公園と似たような雰囲気はありますが、保存状態が良い寺院が多く、スコータイ様式の遺跡を余すことなく見たい方には必見の場所です。
市街地から50kmとかなり遠いので、バイクや車をレンタルして行くか、バスで近くまで行ってレンタサイクルを借りるかのどちらかになります。

スコータイへのアクセス

バンコクエアウェイズからバンコク発スコータイ空港行きの飛行機が1日数便出ています。
エアアジアもピサヌローク空港を経由してスコータイ空港に行けるようですが、少し面倒な行程です。
バンコクからスコータイ行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。

 カムペーンペット県

かつてビルマからの侵略のための要塞都市であったカムペーンペット。
その名残は城壁の中にある区域と、北西のカムペーンペット遺跡公園の2つに分かれています。
ビルマにより大きく破壊されてしまいましたが、緑豊かな中で朽ち果てた遺跡もまた趣を感じられるでしょう。

城壁内の区域とカムペーンペット遺跡公園のチケットは共通なので、どちらかで購入すればどちらも入場可能です。
カムペーンペットの市街地から比較的近く、滞在先のホテルによっては歩いて訪れることも出来ます。

遺跡公園で最大級の規模を誇るのはワット・プラケオです。
城壁の中にある比較的保存状態の良い寺院で、大きな仏像やチェディが残されています。
過去の歴史の中でエメラルド仏が祀られていた場所でもあります。
四角い顔で眉ありの仏像はアユタヤ王朝時代の様式のもので、表情豊かな可愛らしさを感じられます。

ワット・プラ・タートは城壁の中にあり、ワット・プラケオの近くに位置しています。
遺跡公園で2番目に大きい寺院で、地肌が剥き出しになったスコータイ様式のチェディが2基そびえ立っています

城壁北西のカムペーンペット遺跡公園の中にあるワット・チャーン・ローム。
その名の通り68頭もの象に支えられている寺院ですが、正方形の台座の上のチェディは破壊されてしまって根元しか残っていません。
実はこの寺院と同じものがスコータイ県のシー・サッチャナーライ遺跡公園内にあります。

ワット・プラ・シー・イリヤボットはカムペーンペット遺跡公園の入り口にほど近い位置にあります。
もともとは壁に寝仏像、遊行仏像、坐仏像がありましたが、現在残されているのは裏側にある立仏像のみです。

カムペーンペットへのアクセス

カムペーンペットには空港がありません。
バンコク発スコータイ空港行きかピサヌローク空港行きかメーソート空港行きのいずれかの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからカムペーンペット行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。

 ウッタラディット県

あまり観光地らしい観光地のない県です。
見所を挙げるとしたら、ター・タノン寺ではないでしょうか。
寺院の中にはルアン・ポー・ペットと呼ばれる結跏趺坐(けっかふざ)の仏像が鎮座しています。
ウッタラディットのバスターミナルから北東に2.5kmほどに位置しています。

ウッタラディットへのアクセス

ウッタラディットには空港がありません。
バンコク発スコータイ空港行きかプレー空港行きの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからウッタラディット行きの長距離バスはナコンチャイエアーの利用がオススメです。

 ピサヌローク県

ワット・プラ・シー・ラタナー・マハタートはタイで最も美しいとされる守護仏像がある寺院です。
ワット・ヤイという通称があり、こちらのほうが現地の方には通じやすいと思います。
アユタヤ時代後期に建築された寺院で、黄金に輝くチンナラート仏は本当にまばゆい光を放っています。
ピサヌロークのバスターミナルから西に3kmほどの距離にあります。

ピサヌロークへのアクセス

ノックエアーとエアアジアからバンコク発ピサヌローク空港行きの飛行機が1日数便出ています。
バンコクからピサヌローク行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。

 ピチット県

ブンシーファイは巨大なワニの像があるピチット市街地の公園です。
タイの昔話「グライトーン」の発祥の地として有名で、物語で成敗されるワニの王様「チャラワン」がこの巨大な像の正体です。
ピチット県内には他にもワニの像やオブジェがありますので、それを探すのも楽しいかもしれません。

ピチットへのアクセス

ピチットには空港がありません。
バンコク発ピサヌローク空港行きの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからピチット行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。

 ペチャブーン県

タイのスイスの名を持つカオ・コーは大自然に囲まれた高原のリゾート地です。
一年を通して涼しく、シーズンによっては雲海を見ることができます。
年中涼しいところなので、防寒対策をしっかりとして向かいましょう。
ペチャブーンのバスターミナルから北西に50kmほど離れた位置にありますので、車を借りて行くかツアーに参加するのがベターです。

ワット・プラタート・パーソーンケーオはマトリョーシカ風の少し変わった仏像のある寺院です。
仏塔の壁面も非常に凝った造りをしていて、宝石や陶器を砕いた破片でモザイク柄のようなデザインになっています。
ペチャブーンのバスターミナルから北西に60kmほど離れた位置にありますので、車を借りて行くかツアーに参加するのがベターです。

ペチャブーンへのアクセス

ペチャブーンには空港がありません。
バンコク発ピサヌローク空港行きの飛行機に乗って、そこからバスで移動をする必要があります。
バンコクからペチャブーン行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。
乗車時間が4時間ほどになるので、窮屈ですがロットゥーもギリギリ検討の余地ありです。

 ウタイタニー県

ジュラシックパークの異名を持つフッパー・タートです。
今にも恐竜が出て来そうな世界観で、コウモリの住み着く洞窟やジャングル風の森は大人ゴコロをくすぐります。
足場の悪いところもあるので、運動靴などの装備で挑みましょう。
ウタイタニーのバスターミナルから西に約50kmと少し距離があるので、ツアーに参加するのが無難かもしれません。

ワット・ター・スンはガラスの柱が煌めく一風変わった寺院です。
ひとたび足を踏み入れれば、合わせ鏡の効果で無限に続くような眩しさに驚くこと間違いなし。
お寺の拝観時間が限られていて、9:00〜11:45と14:00〜16:00のみなので気をつけましょう。
ウタイタニーのバスターミナルから北東13kmの位置にありますが、バンコクからツアーに参加をするのがベターかもしれません。

ウタイタニーへのアクセス

ウタイタニーに空港はありません。
バンコクから車で3時間ほどの距離なので、飛行機での移動という距離ではありません。
バンコクからウタイタニー行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。
乗車時間が短いので、窮屈ですがロットゥーも検討の余地ありです。

 ナコンサワン県

観光地らしい観光地が本当にない県ですが、北部へのバス移動の際に休憩所で立ち寄るイメージがあります。
別名「天国の都市」のナコンサワンは自然豊かで公園や牧場、キャンプ場がありますが、わざわざ訪れるほどでもありません。
あまりに特筆すべきものがなかったので、タイ人の誰もが知るナコンサワンの名物をご紹介します。

その名も「モチ」。
タイのお菓子を食べる機会が多い方は巡り合ったことがある一品だと思います。
ナコンサワン県に出張で行く際にはタイ人にお土産として買っていくと喜ばれること間違いなし。
肝心の味ですが、硬めの食感で甘さ控えめな餡子が入っているお饅頭と言えばおわかりいただけるでしょうか。

ナコンサワンへのアクセス

ナコンサワンに空港はありません。
バンコクから車で3時間ほどの距離なので、飛行機での移動という距離ではありません。
バンコクからナコンサワン行きの長距離バスも出ていますが、ローカルの会社のみになりますのでサービスは期待できません。
チケットを買うときには1等クラスのバスを選ぶようにしましょう。
乗車時間が短いので、窮屈ですがロットゥーも検討の余地ありです。

JIROKO

バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。

よく読まれている記事