タイのダメージ費用【台所とダイニング】

2019.03.31

JIROKO

【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】

タイの賃貸物件は家電や家具も備え付けになっています。
わざわざ購入をすることはないので便利ですが、借り物である故にダメージ費用が高額になってしまう場合があります。
ここではバンコクの不動産屋の視点から見たダメージの注意点を紹介していきます。

今回は台所とダイニングのダメージになりやすいポイントと費用相場を解説しています。

リビングのダメージになりやすいポイントと費用相場は下記の記事で確認してください。

コンロ

電気コンロ、IHコンロ、電熱線コンロ、ガスコンロがありますが、ダメージの指摘を受けやすいのは電気コンロとIHコンロになります。

 電気コンロ・IHコンロ

最も注意したいのはフラインパンを振ったときに出来る傷です。
また、頑固な汚れがこびりついてしまって掃除をしても落ちない場合は、コンロの表面を丸々交換することになります。
交換の相場としては8千〜3万バーツ前後ですが、メーカーや型番によってはそれ以上に高額となる可能性もあります。

 電熱線コンロ

金属部分のサビや汚れは掃除をすれば落とすことができますが、電熱線部分についたサビは取れないことがあります。
電熱線は部分交換が出来ませんので、掃除でサビが落ちない場合にはコンロの表面全体を交換することになります。
相場としては6千〜2万バーツ前後ですが、メーカーや型番によってはそれ以上に高額となる可能性もあります。

 ガスコンロ

清掃をすることでほとんどの汚れを落とすことができますので、しっかりと掃除さえしていれば請求の対象にはなりにくいです。

 ダメージの一例

電気コンロの傷
電熱線コンロのサビ

 ダメージ回避のポイント

電気コンロやIHコンロでフライパンや鍋を振るときは、コンロに当たらないように気をつけましょう。
こびりついた汚れやサビは落ちないことがあるので、調理の後はこまめなお掃除が重要です。

シンク

シンク自体でダメージの指摘を受けることはあまりありませんが、蛇口に取り付けるタイプの浄水器を設置している場合、設置時に蛇口の先端の部品を取り外してしまうので、退去の時点で部品を紛失しているケースが散見されます。
蛇口の先端のみでしたら500バーツ未満が相場となりますが、先端のみの部品販売がない場合は蛇口全体の交換となりますので数千バーツの費用が発生してしまいます。

 ダメージ回避のポイント

取り外した部品はきっちり保管しましょう。
物件の作業員に外してもらったものを物件で保管してもらう場合は、記録をしてアパートのスタッフのサインをもらっておくことを強く推奨します。
アパートは作業員も事務所・受付のスタッフも入れ替わりますので、アパートに作業をしてもらったから安心という訳ではありません。

キッチンカウンター

キッチンカウンターは石造りのものが多いですが、割れる恐れがありますので注意が必要です。
特に熱への耐久性が低く、簡単に亀裂が入ってしまうことがあります。
石造りのカウンターは部分補修が出来ませんので、元々の石の切れ目の範囲で交換の対象となります。
相場としては2〜3万バーツ前後ですが、中には人工大理石や高級石材が使われている場合もあり、そのような場合は大変高額な請求となる可能性があります。

また、素材によっては汚れがつきやすいカウンターもあります。
専用の薬剤を使用しての清掃になると、数千〜5千バーツ前後の費用が発生することもあります。

 ダメージの一例

キッチンカウンターの亀裂
キッチンカウンターの汚れ

 ダメージ回避のポイント

カウンターの上に加熱した後のフライパンや鍋、熱々のご飯や液体の入った食器やコップは絶対に置かないようにしましょう。
当たり前のことですが、刃物を使用するときはまな板を使う等で傷つかないように配慮してください。

戸棚や引き出しの中

戸棚や引き出しに物を直接置くことで、汚れや傷がついてしまうケースが散見されています。
棚や引き出しの大きさにもよりますが、1箇所に対する研磨・塗装費用の相場は千〜3千バーツ前後になります。

 ダメージの一例

 ダメージ回避のポイント

物を置くときには布やシート素材のものを敷いて使うとベターです。

冷蔵庫

家電の中での使用頻度が高いためか、冷蔵庫は意外と指摘を受けやすい家電のひとつです。

 外側のドア

ドアに凹みや傷があると、ダメージの指摘を受けることになります。
ドアの部分補修は出来ませんので、メーカーによるドア自体の交換になってしまいます。
メーカーや大きさにもよりますが、ドアのサイズが小さければ3〜4千バーツ前後、大きいサイズになると6千〜9千バーツ前後になります。

 プラスチック板

プラスチック板や野菜室、製氷器の破損やヒビはダメージの請求を受けます。
メーカーや大きさによりますが、プラスチック板1つあたり数百バーツ〜3千バーツ前後が相場になります。

 ダメージの一例

ドアのへこみ
プラスチック板のヒビ

 ダメージ回避のポイント

冷蔵庫のドアを開いたときに、ぶつかるようなものがないように配慮しましょう。
プラスチック板は衝撃で割れることがありますので、丁寧に冷蔵庫内の食材を移動させるようにしましょう。
また、野菜室に重たいものを入れないようにすることもヒビを発生させない工夫のひとつです。

電子レンジ・オーブン

電子レンジやオーブン自体はよほど汚れていない限りは請求を受けることはあまりありません。
どちらかと言うと、付属品の紛失で請求を受けることが多いです。

 電子レンジ

電子レンジがオーブンレンジである場合、オーブン用の金属製の小さな台が付属部品になっています。
いつの間にか付属部品であることを忘れて捨ててしまったり、誤って日本に荷物として送ってしまうことが散見されます。
紛失した場合はメーカーによりますが、500〜千バーツ前後の請求を受けます。

 オーブン

オーブンによってはオーブン用の取ってが付属部品になっていることがあります。
こちらも誤って梱包してしまうケースが散見されます。
紛失した場合はメーカーにもよりますが、千バーツ前後の請求となります。

 ダメージ回避のポイント

最初からセットになっていた付属品は忘れないように返却しましょう。

ダイニングテーブル

ダイニングのテーブルには木製とガラス製がありますが、ダメージの対象となりやすいのは木製のテーブルです。

 木製のダイニングテーブル

木製のテーブルは熱いものをそのまま置くと、木の色が白く変色してしまいます。
また、物を引きずるように動かすと、傷がついてしまう場合もあります。
テーブルの大きさや傷の大きさにもよりますが、2人〜4人用のテーブルサイズで補修費用は2千〜5千バーツ前後が相場です。

 ガラス製のダイニングテーブル

傷つきにくいのですが、ガラスという素材故に衝撃で割れてしまうことがあります。
割れてしまった場合には交換の対象になり、大きさやメーカーにもよりますが5千〜7千バーツ前後が相場です。

 ダメージの一例

 ダメージ回避のポイント

木製のテーブルもガラス製のテーブルも布等のテーブルクロスを敷くことが一番の対策になります。
テーブルクロスを使用せずにそのまま使いたい場合は、熱いコップやお皿、鍋などを直に置かないようにして、コースターや鍋敷きを使うようにしましょう。

ダイニングテーブルの椅子

ダイニングの椅子はダメージの指摘を受けやすいポイントのひとつです。

 座面が布製の椅子

椅子の座面は布製であることが多く、座面の布の汚れに対してクリーニング費用を請求されることが非常に多く見受けられます。
1脚あたりのクリーニング費用の相場は数百〜500バーツ前後ですが、汚れがひどい場合は座面の布の交換を言い渡されることもあります。

 座面が合皮製の椅子

合皮製は水分をはじきますので何か液体を零して汚れるというリスクは少なくなりますが、日常的な使用で黒ずみや汚れがついてしまうことがあります。
クリーニングでは落ちないことが多く、座面の布の交換を言い渡されることが多いです。
1脚あたりの座面の交換費用は千〜2千バーツ前後になりますが、メーカーによっては相場以上の金額になることもあります。

 座面が革製の椅子

革製の椅子の場合はかなりの高確率でダメージ費用を請求されることになります。
革のメンテナンスは難しく、人間の皮脂がつくとボロボロと表面が剥がれてきますし、メンテナンスせずに乾燥させてしまうとヒビが入ってしまいます。
更にタイは年中暑い国なのでカビも生えやすいです。
乾燥させてもダメ、湿気が強くてもダメという非常に管理の難しい素材です。
革のダメージは経年劣化ではなく、多くは清掃やメンテナンス不足が原因ですので請求の対象になります。
また、椅子によっては全体が革で覆われている構造のものもありますので、そのような場合は椅子自体を交換することになります。
相場としては1脚あたり2千〜4千バーツかと思いますが、高級な椅子の場合はそれ以上を覚悟すべきです。

 ダメージの一例

布製の椅子
合皮製の椅子
革製の椅子

 ダメージ回避のポイント

布製の椅子や合皮製の椅子は座面に布等のカバーをつけることで汚れを回避できますが、使用感や見栄えが悪くなるので、高額ではないダメージ費用を覚悟で使うのもひとつの考え方です。
革製の椅子はダメージの発生しやすさと高額な請求を受けるリスクから個人的にはオススメできません。
使用するときにはダメージを覚悟して使うべきでしょう。

JIROKO

バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。

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