2020.07.24
【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】
タイでは曜日ごとに色や仏像が決められています。
日本には無い習慣ですが、多くのタイ人は自分の誕生日が何曜日かを知っていて、自分のシンボルカラーと守護仏を理解しています。
タイには曜日占いなんてものもあったりしますし、曜日に合わせた色の服を着ているタイ人なんかも居たりします。
私もボランティア時代には施設のイベントに備えて、平日の各色のポロシャツを常備していました。
タイの寺院では曜日ごとの仏像があるところもあり、参拝をするときに自分の曜日の仏像にお祈りをすると幸運がアップするそうです。
せっかくの寺院参拝ならば、自分の曜日の仏像にお祈りをしたいものですね。
まずは自分の誕生日が何曜日なのかを調べるところから始めましょう。
下記のサイトで簡単に確認出来ます。
曜日計算 -高精度計算サイト- Keisan-CASIO
シンボルカラーと守護仏は原則として曜日ごとにひとつずつですが、水曜日だけは昼と夜の2種類に分かれるので全部で8種類になります。
余談ですが、バラモン教の要素が強い寺院では「毎日」を意味する仏像を加えて全部で9種類の仏像が置かれています。
曜日には時間が指定されていて、この事実を知らないタイ人も意外と多いかもしれません。
日曜日生まれ:日曜日の午前6時〜月曜日の午前5時59分の生まれ
月曜日生まれ:月曜日の午前6時〜火曜日の午前5時59分の生まれ
火曜日生まれ:火曜日の午前6時〜水曜日の午前5時59分の生まれ
水曜日(昼)生まれ:水曜日の午前6時〜水曜日の午後5時59分の生まれ
水曜日(夜)生まれ:水曜日の午後6時〜木曜日の午前5時59分の生まれ
木曜日生まれ:木曜日の午前6時〜金曜日の午前5時59分の生まれ
金曜日生まれ:金曜日の午前6時〜土曜日の午前5時59分の生まれ
土曜日生まれ:土曜日の午前6時〜日曜日の午前5時59分の生まれ
ここで疑問なのが、なぜ水曜日だけが昼と夜に分かれているのか?という点です。
日本語で調べるとウェブ上では見つけられませんが、タイ語で検索をするとその理由を見つけることが出来ます。
まずは重要な登場人物「ラーフ神」の説明が不可避でしょう。
「ラーフ神」とはホーラサート(占星術)における九曜(9つの天体とそれを格式化した神様)のひとりです。
どんな神様かと言うと、下半身は無く、真っ黒な上半身だけの身体で、金色の球体にかじりついている少し不気味な様相です。
悪神とも呼ばれていて、諸説ありますが、日曜日と月曜日の神様の兄弟の末っ子で、ウィサヌ神から不老不死の薬を盗み飲んだため、ウィサヌ神に身体を真っ二つにされて、上半身が「ラーフ神」になり、下半身は「ケートゥ神」になったと言われています。
この「ラーフ神」は8番目の神様ですが、1週間は7日間しかなく、8人の神様を曜日に振り分ける関係で水曜日を昼と夜に分割したというのが理由だそうです。
なぜ九曜(9人の神様)なのに8人の神様までしか曜日が無いのかと言うと、9番目の神様である「ケートゥ神」は「ラーフ神」から分裂した下半身のみなので生きている神様として扱われておらず、曜日は当てがわれなかったという経緯のようです。
どうして他の曜日ではなく、水曜日を分割することにしたのか?にも理由があります。
日曜日を始まりとしたとき、週の真ん中に水曜日が来るからということが答えのようです。
ここまで細かいエピソードを知っているタイ人はよほどの占星術マニアだと思いますが、「ラーフ神」の名前は有名で、ラーフ神の曜日である「水曜日の夜」生まれであることを認めたくないタイ人もいるほどです。
日曜日のシンボルカラーは【赤】です。
日曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンタワーイネート】です。
右手を上に、左手を下にして両手をお腹の上で組み、瞬きをせずに菩提樹を見つめている立像です。
仏陀が菩提樹の下で7日間の瞑想をしたときの姿で、菩提樹の前に立って瞬きもせずに見つめ続けた(目を献上する)様子を意味します。
日曜日の神様は【プラ・アーティット】です。
守護する方角は北東、乗り物はライオンです。
月曜日のシンボルカラーは【黄色】です。
月曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンハームサムトーン】です。
左手を垂直に降ろし、右の掌を胸の高さで外側に向けて、飢餓と日照りを制止している立像です。
昔、川沿いの2つの国が飢餓と日照りのせいで水を巡って争いを始めたため、仏陀が争いを制して和平をもたらした姿を意味します。
月曜日の神様は【プラ・ジャン】です。
守護する方角は東、乗り物は馬です。
タイの国民に絶大な人気があったプミポン元国王は月曜日生まれでした。ワチラロンコン現国王も月曜日の生まれです。
火曜日のシンボルカラーは【ピンク】です。
火曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンサイヤート】です。
枕の上に右手を乗せてその掌に頭を抱え、左手は腰の辺りまで伸ばし、目を閉じて両足を揃えて横になった寝釈迦像です。
仏陀が涅槃(ニルヴァーナ)の境地に達し、悟りを開いた姿を意味します。
また、入滅(逝去)したときの姿とも言われます。
火曜日の神様は【プラ・アンカーン】です。
守護する方角は南東、乗り物は水牛です。
水曜日(昼)のシンボルカラーは【緑】です。
水曜日(昼)の守護仏は【プラプッタループ・パーンウムバート】です。
両手でお布施の鉢を前に抱えて、両足を揃えた立像です。
仏陀がお布施をする姿を意味します。
シャカ国の王子であった仏陀が修行の旅に出る際、王様(父親)が食料を持たせたことが起源とも言われます。
水曜日(昼)の神様は【プラ・プット】です。
守護する方角は南、乗り物は象です。
水曜日(夜)のシンボルカラーは【黒】です。
水曜日(夜)の守護仏は【プラプッタループ・パーンパレーライ】です。
石の上に座り、両の掌を足の上に置いて外側に向けた座像です。
座仏の下には水を献上する象と、蜂の巣を献上する猿の姿があります。
仏陀の教えに誰も耳を傾けなかった頃、森林に一人で入り、動物たちに語りかけ説法をした仏陀の姿を意味します。両脇の象と猿は説法のときの様子です。
水曜日(夜)の神様は【プラ・ラーフ】です。
守護する方角は北西、乗り物はガルーダです。
木曜日のシンボルカラーは【オレンジ】です。
木曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンサマーティ】です。
左手を下に、右手を上にして掌を組み、右足を上にして胡坐をかいて瞑想している座像です。
仏陀が長い瞑想の後、悟りを開いたとされる日を意味します。
木曜日の神様は【プラ・パルハット】です。
守護する方角は西、乗り物は鹿です。
金曜日のシンボルカラーは【青】です。
金曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンラムプン】です。
右手を上に、左手を下にして両手を胸の上で交差し、仏法と伝道について瞑想する立像です。
仏陀が悟りを開き、これから人々に説法へと赴く前の姿と言われ、法を説くことに対して自問自答をしている姿を意味します。
金曜日の神様は【プラ・スック】です。
守護する方角は北、乗り物は牛です。
土曜日のシンボルカラーは【紫】です。
土曜日の守護仏は【プラプッタループ・パーンナークプロック】です。
右の掌を上にして手を重ね、背後にいる7本頭の蛇(ナーガ)に保護されて瞑想している座像です。
仏陀が7日間の瞑想に入っているとき、雨嵐が吹き荒れましたが、菩提樹の葉がナーガ(7本頭の蛇)に変身して仏陀を守ってくれた様子を意味します。
土曜日の神様は【プラ・サーオ】です。
守護する方角は南西、乗り物は虎か梟です。
バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。