2021.03.31
【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】
タイの麺料理の代表格と言えばパッタイですが、庶民的な麺料理はクイッティアオでしょう。
クイッティアオは麺の種類もスープの種類も豊富で、具材の種類も含めるとたくさんの組み合わせが誕生します。
この記事ではクイッティアオを徹底解剖しています。
クイッティアオとは『タイ風ラーメン』と呼ばれるタイの大衆的な麺料理のことです。
本当にあちこちにクイッティアオのお店があって、どこに行っても食べられるのがクイッティアオと言っても過言ではありません。
バンコクのクイッティアオの相場は安くて40〜50バーツ前後で、中には200バーツを超える高級クイッティアオもあります。
田舎に行くと一杯20バーツという超格安クイッティアオもあったりします。
日本人によく知られている麺は5種類、マイナーな麺も含めると全部で7種類の麺が存在していることをご存知でしょうか。
クイッティアオの麺<全7種類>
① センレック(中細麺、米粉) ツルツルでコシあり
② センヤイ(太麺、米粉) モチモチとした食感
③ センミー(極細麺、米粉) ビーフン的な食感
④ ママー(インスタントラーメン) THEインスタント麺
⑤ センプラー(魚が練りこまれた麺) 柔らかいうどん風
⑥ バミー(ラーメンに近い麺、小麦粉) ラーメン的存在
⑦ ウンセン(春雨) 普通の春雨
ほぼ全てのお店で、センレック、センヤイ、センミー、バミー、ママーの5種類の麺が取り揃えられています。
ウンセンも多くのお店で用意されていますが、センプラーは取り扱いが少ないのでお店を探さなければいけません。
悩んだ人はとりあえず中細麺のセンレック、あるいは、日本人受けしやすいバミーをオススメします。
クイッティアオのスープの基本はナムサイです。
ナムサイのスープが美味しくないクイッティアオ屋は全てが美味しくないと言っても過言ではありません。
ナムサイは透き通った色が特徴のスープです。
鳥や豚、牛などの種類があって、上に乗っている具材と同じ素材でスープが作られています。
タイは南部にイスラム系のタイ人がいるので、豚や牛のミックスのスープは基本的にはありません。
かなりあっさりとした風味のスープなので、自分好みに味付けをして食べるのがスタンダードです。
日本人としては既に出来上がっているものにがっつり味付けをするのは抵抗感があるかもしれませんが、郷に入っては郷に従えで調味料を思い切って入れてみましょう。きっと美味しいハズ。
ナムサイのスープに醤油を追加したものもナムサイの種類に分類されます。
味の薄いナムサイのスープとは違って、醤油の甘い&しょっぱいが加わった濃い目の味のスープです。
このスープではしっかりと煮込まれたお肉(鶏肉、豚肉、牛肉)が具材として入っていることが多いです。
骨つき鶏肉の煮込みにマラ(苦瓜)がセットになっている「クイッティアオ・ガイトゥン・マラ」は有名な一品です。
かなり塩辛いので、味付けは砂糖や酢、唐辛子がメインで、ナンプラーは不要です。
日本人が大好き『トムヤムクン』で有名なトムヤムスープです。
トムヤムクンとはレモングラスや生姜、バイマックル(こぶみかんの葉)などで作られる酸味と辛味と甘味を感じられる世界3大スープのひとつ。
トムヤムスープはナムサイのスープにトムヤムペーストが追加されたものです。
マナオ(ライム)や香ばしいアーモンドが乗ったクイッティアオ・トムヤム・マナオは私一押しのクイッティアオで、観光名所の水上マーケットでよく見かける一品です。
お店によっては結構辛い味なので、辛いのが苦手な人はダメかも?
見た目はかなり濃厚な茶色で、通称『豚の血入り』と呼ばれる初心者には少し抵抗感のあるスープです。
ナムサイのスープにナムトックのペースト+豚の血を追加したものです。豚の血は加熱されています。
豚の血を入れるかどうかは選ぶことが出来ますが、豚の血入りはドロっとしてコクが出ます。
血の味はしませんし、生臭さもありませんが、ドロリ感が苦手な人はダメかもしれません。
ナムトックはタイ語で『滝』の意ですが、名前の由来は諸説あってはっきりとしたものは不明です。
鮮やかな赤身のあるピンクが特徴的なスープです。
ナムサイのスープにイェンターフォーのペーストを追加したものです。
ちょっと抵抗感を感じるショッキングな色なので、日本人には少しハードルが高いかもしれません。
豆腐を紅麹(べにこうじ)で発酵させた紅腐乳(べにふにゅう)で出来たスープで、甘酸っぱさが全面に出たクセになる味です。
具材は豚肉がメインで、魚のつみれや魚の皮を揚げたもの、空芯菜などが一緒に乗っています。
イェンターフォー・トムヤムというミックス味も存在しています。
クイッティアオはスープ無しというアレンジも可能です。
お店によって味がしっかりついている場合と味つけが薄めの場合があるので、味つけが薄めの場合は自分で調味料を入れてしっかりと味付けをします。
スープを小さいお椀に入れてつけてくれるお店もあります。お店によっては自分でリクエストしないとスープをつけてくれない場合があります。
クイッティアオの麺はとても固まりやすいので、ヘーンの場合は速やかに麺をほぐして食べ始めましょう。特に米粉麺のセンレック、センヤイ、センミーは固まるのが早いので要注意。
クイッティアオは麺料理ですが、麺無しでスープだけで頼むことも可能です。
この麺無しのスープは『ガオラオ』と呼ばれています。
クイッティアオは麺がメインで具材少なめですが、ガオラオは具材が多めに入っています。
具材の中にレバーも多く入っているので、内臓系が苦手な人はダメかもしれません。
ライスと一緒に頼むことが多くて、一食のゴハンとしては十分な量になるでしょう。お店によっては注文せずとも自動でライスがついて来ますが、ライスは別料金です。
クイッティアオは右手に箸、左手に蓮華を持って食べるスタイルが基本です。
一番重要な作法は麺をすすってはいけないこと。
日本でラーメンと言えば麺をすするのが常識ですが、タイでは麺をすするという行為はとんでもないマナー違反です。
麺は箸で蓮華に入れて、その蓮華に入った麺を食べるのがクイッティアオの流儀になります。
日本人は出て来た料理に追加で味付けをすることに抵抗がある人も多いですが、クイッティアオは調味料を入れてナンボの料理です。
抵抗感は捨てて自由気ままに調味料を追加して、自分流の味を楽しみましょう。
基本的に4つの調味料がテーブルに置いてあることが多いです。
① ナンプラー(魚醤)
② 砂糖
③ 唐辛子の粉末
④ 唐辛子入りの酢
お店によっては、唐辛子のペースト、コショウ、ガーリックチップなどが置いてある場合もあります。
クイジャップの麺は三角のシート状の米粉がクルクルと丸まっているのが特徴で、食感がモチモチしていてツルリとしています。
煮卵やモツが入った醤油風味の薬膳風スープはクイジャップ・タイと呼ばれています。一般的にクイジャップと言えばこちらを指します。
クイジャップ・タイのスープはシナモンや八角などで煮込まれた甘辛い濃い口で、中国にルーツを持っています。
一方で、モツが入っていない透明なスープはベトナム由来のクイジャップ・ユアンと呼ばれています。いわゆる『フォー』です。
クイジャップ・ユアンは細めのうどんのような麺が入っています。
写真のクイジャップはクイジャップ・タイです。
カオソイはチェンマイを中心としたタイ北部の名物料理で、タイ風のカレーラーメンです。
ココナッツミルクを加えたカレー味のカオソイは甘辛くて非常にマイルドで、パリッとした揚げ麺が入っているのが特徴的です。
高菜やオニオン、ライム、生のもやしが添え物としてついて来ます。
イスラム教徒がいる影響なのか、カオソイにはチキンが具材として選ばれていることが多い印象です。
カオソイはタイ語で『米を細く伸ばす』という意味で、ラオスには米麺を使ったカオソイがありましたが、タイではいつしか卵麺が使われるようになりました。
バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。