2020.01.29
【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】
ビルに囲まれた都会の喧騒の中に数多くの博物館が隠れています。
中でもオフィス街の真ん中にオアシスのような博物館があることをご存知でしょうか。
バンコク博物館巡りの第三弾はククリットハウスをご紹介します。
オフィス街であるシーロム・サトーンのビルの中に佇むひっそりとした古民家で、ククリット・プラモートさんの私邸になります。
チーク材で出来ているアユタヤ様式の建築物です。
この家の主であったククリットさんは多才で華麗なる経歴をお持ちの人物でした。
タイ国最初の政党の創始者であり、元13代目内閣総理大臣でもあり、新聞「サヤームラット」紙の創刊に携わり、小説家としても活躍され、タマサート大学のタイ学研究所の創立者になり、タマサート・コーン劇団を創設しました。
更に彼は映画俳優としての経歴もあります。
ククリットハウスは2007年に公開打ち切りの可能性がありましたが、ククリットさんの息子さんがそのまま残すことを決断されたことで今の姿があります。
なお、私邸の中では結婚式も行えるそうです。
2012年に訪問してから2度目の訪問でしたが、以前と変わりありませんでした。
劇的に様相を変化させているバンコクの中でまるで時間が止まっているような不思議な空間です。
幾つも博物館を回っている私としてはククリットさんの家で過ごす時間が気に入っています。
ククリットハウスの拝観料は50バーツです。
パンフレットというべきかは微妙ですが、日本語の資料がもらえます。
他にも英語と外国語2ヶ国の資料を用意しています。
撮影不可の場所はありません。
毎日10時〜16時に開館しています。
ざっと眺める程度なら10分もあれば十分です。
ククリットハウスの醍醐味はノンビリ眺めることが出来る庭園にあると思うので、腰掛けて風景を楽しむのであれば30分くらいは必要です。
窓や扉のない古民家なのでエアコンはありませんが、風通しがとても良いので風さえあればあまり暑さは感じないでしょう。
指定はないので、自由に見ることが出来ます。
1階の大半はタイらしいオシャレな庭とそれを眺めることが出来る休憩スペースで占められています。
ククリットハウスの庭は何度見ても可愛らしくて、タイで家を持つ機会があればこういう庭を造りたいと思ってしまいます。
奥には日本人形を含めた細々とした展示物があって、ひとつのジャンルに定まらない雑然とした印象を受けるでしょう。
元個人宅ということで、ここで確かに生きていたんだなと思わせる生活感のある展示です。
まるで昔の田舎のおじいちゃん&おばあちゃんの家を訪れたときのような感覚が呼び起こされます。
2階には左側の階段か右奥の階段のどちらかを使って上がることが出来ます。
受付の右手に大きな演劇舞台が迫り出していて、芸術家の私邸はそんなものまであるのかと驚かされます。
舞台の両隣にはタイの古典舞踊「コーン」の仮面が2つの棚に収められています。
BTSチョンノンシー駅から徒歩10分ほどの距離にあります。
ナラティワート7通りに入って200mほどを歩いた左手に位置しています。
住宅街の中に紛れ込んでいる感じなので、このまま歩き続けて本当に着くのかな?と不安に思う頃に登場する距離感です。
バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。