更新退去担当は見た!コンドミニアムのデメリット

2021.04.29

JIROKO

【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】

この記事では更新や退去を長年担当して来た私が感じるコンドミニアムのデメリットを紹介しています。
コンドミニアムに住むことを検討するにあたって、皆さんに是非知っておいて欲しいことを本音で書いています。
いろいろとデメリットを書いていますが、絶対に住んではいけないという訳ではありません。
もちろん何年も住んで全く問題が起きないお部屋があることも知っています。
一方で深刻な問題が起きたときは、コンドミニアムならではの悲惨さを痛感するでしょう。
コンドミニアムに住む前にどのような問題が起こるのかをきちんと把握してから住むことを強くオススメします。

電気が止まる危険がある!

コンドミニアムの電気代の支払いはMEA(電気公社)への直接払いになります。
うっかり電気代の支払いを忘れたりすると、電気公社に電気を止められてしまいます。
一度止められた電気は簡単には復旧しません。電気公社まで支払いに行く必要があります。
帰国や出張で数週間以上不在にする場合は、モバイルバンキングで支払いをしたり、知人に支払いを依頼するようにしましょう。
アパートやサービスアパートは支払いの遅延で電気が止まったりしないので、コンドミニアムならではのデメリットです。

家電が壊れると直るまでそのまま!

タイの場合、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、電子レンジなどの家電製品はお部屋に付属している備品です。
家電製品が壊れてしまった場合、まずは物件の作業員に点検をしてもらうことになりますが、コンドミニアムの作業員ではほぼ修理が出来ないと思うようにしましょう。
じゃあメーカーのエンジニアを最初から呼んでよと言いたいところですが、要望を出しても基本的にそれは通りません。
メーカーのエンジニアは呼ぶだけでお金がかかるので、一番初めにお金がかからない物件作業員で修理ができるかを確認させるのが一般的です。
まずはコンドミニアムの作業員に修理不可であることを証明してもらって、オーナーにメーカーのエンジニアを呼ぶ了承をもらって、メーカーの日時を予約して・・・とここまでで三段階のステップです。
メーカーのエンジニアを呼べたとしても、部品が追加で必要な場合は一度の訪問では修理が終わりません。
予約の取りにくい家電メーカーもあるので、長い場合だと1週間くらい家電が死んだままの可能性もあったりします。
テレビや電子レンジならまだしも、冷蔵庫や洗濯機は本当に悲劇的です。
アパートやサービスアパートは家電の在庫を抱えているので在庫と交換をしてもらえますが、コンドミニアムに在庫はありません。
ただひたすら修理が終わるのを待つことになります。

修理に時間がかかる!

コンドミニアムの作業員は修理スキルが低いことも多く、出来ることがすごく限られています。
簡単な不具合は直してもらえることもありますが、本格的な修理は外部業者を呼ぶことになります。
何をするにも外部業者やメーカーを呼ぶので、すごく時間がかかります。
そして、何をするにもオーナーの許可を取らなくてはいけません。
オーナーがNGを出せば、修理すらしてもらえないのがコンドミニアムです。
アパートやサービスアパートでも外部業者を呼ぶと多少の時間はかかりますが、迅速に対応をしてくれることが多いので、コンドミニアムよりは俄然早くに直ります。

ダメージ費用が高いことがある!

退去時にはオーナーによるダメージチェックが行われますが、このダメージチェックがコンドミニアム最大の曲者です。
ダメージ費用が馬鹿高いときがあるからです。
何故そんなに高くなるのかと聞かれれば、オーナーによって原状回復の基準が違うからのひと言に尽きます。
オーナーの判断次第で本来は請求されないような項目が請求対象になったり、ちょっとしたダメージが高額請求になったりする危険があります。
もちろん全良な不動産屋さんであれば、オーナーに抗議をすることでしょう。
しかし、どんなに頑張って交渉をしても、オーナーがNOと言えばダメージ費用は高額なままで確定します。
ちなみに、私が経験した過去最高のダメージ費用は6万バーツ超えでした。
アパートの中には高めの請求をする物件もありますが、コンドミニアムと違って基準はある程度明確です。
サービスアパートではホテルとして運営をしている物件ではほぼ請求なし、ホテルとして運営していない物件では多少の請求ありといった感じです。

オーナーが変わる可能性がある!

優しいオーナーで良かったなんて安心していたのも束の間、ある日突然オーナーが変わる危険性があります。
オーナーの中には転売で稼ぎを出している人や金銭的な事情で手放す人もいるので、ずっと同じオーナーである確証はありません。
そんなに頻繁に起こることはないですが、年間に数件程度は遭遇します。
新しいオーナーがドケチだったり、性格が悪い人になってしまう可能性だって十分あり得ます。
そして、賃貸では貸し出さないとか、家族を住まわせるとかで、オーナー変更の時点で強制的に退去をさせられることも・・・。
アパートやサービスアパートのオーナーはほぼ変わることはなく、オーナーが変わる可能性があるのはコンドミニアムだけです。

強制退去もありうる!

オーナーの方針変更で「家族や親族を住まわせたい」場合に、ある日突然追い出されることが確定したりします。
通知を受けたその日に出て行けとは言われず、だいたいは更新のタイミングで「更新不可」の通知が来ますが、契約途中で30日以内に出て行ってくださいなんてことも過去にありました。
アパートで建て直しや解体で稀に強制退去をさせられますが、強制退去のリスクを常に抱えているのはコンドミニアムだけです。

帰国で中途解約できない!

日系の不動産屋さんを通していれば、2年目以降の契約では帰国・異動時の中途解約が付帯しているのが通常です。
ちなみに、タイ人エージェントは2年目以降でも中途解約が付帯しないことが多いので、タイ人エージェントを利用中の人は注意しましょう。
コンドミニアムでも多くの場合は2年目以降の契約で中途解約を盛り込むことが可能です。
しかし、稀にオーナーが中途解約にOKを出さない人もいますし、契約から半年後でなければ中途解約は許さないというケースもあります。
そして、ほとんどのお部屋で中途解約は30日前通知ですが、中には60日前通知、極々稀に90日前通知なんてオーナーもいます。
コンドミニアムは当たり前のように中途解約が付帯するなんて考えてはいけません。完全にオーナー次第です。
アパートやサービスアパートではほとんどの物件で30〜60日前通知の範囲で中途解約が付帯しています。

JIROKO

バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。

よく読まれている記事