2021年バンコクの不動産賃貸市場レポート

2021.07.05

BANGKOK-TIMES

2021年の繁忙期が落ち着いてきましたので、今年のバンコク不動産賃貸市場の動向と傾向をレポートいたします。2019年から続く新型コロナウイルスの影響はどの程度あるのか?バンコクの不動産賃貸価格は下がっているのか?など、皆様の気になる点に詳しく解説いたします。

 バンコクの不動産賃貸市場の動向と傾向

バンコクの日本人駐在員数
2020年以降、新型コロナウイルスの影響で、撤退になった中小企業様や駐在員を大幅に減少した中小企業様もありましたが、大手日系企業様では全く影響がない訳ではないと思いますが、バンコクの駐在員数に大きな影響はなく微減といった印象です。ただし、今後バンコク日系企業の駐在員数が増えることは考えにくく、徐々に減少していくと思われます。実際に、設立から増加の一途だったタイ商工会議所の会員数も、2020年より減少に転しています。

(参照:バンコク日本人商工会議所)

2021年は「駅近」と「築浅」の需要が高まる
以前はバンコクのお部屋探しでそれほど重要視されなかった「駅近」のご条件ですが、近年では駐在員1人に車1台が支給されることが少なくなってきており、BTSなど交通機関でのご通勤や、車の乗り合いを採用される日系企業様が増えてきたため、駅近で生活の利便性が良い物件の需要が急速に高まってきています。
また、以前はタイらしい広さのある築深物件も一定の人気がありましたが、若い駐在員の方の増えてきた影響もあり、広さよりも綺麗さを重視される方が多く、築浅で使いやすい間取の物件に人気が集中するようになっています。築浅物件は築深物件よりも「電気代が安い」、「害虫リスクが少ない」ことも人気の理由です。

二極化するバンコクの物件
築浅物件とは逆に「築年数が経った築深物件」、「生活の利便性が悪い立地の物件」は、急速に日本人駐在員の方の需要が低くなっており、賃貸価格を大幅に値下げしている物件が多く見受けられます。

 単身者の方のお部屋探し

2021年は高級サービスアパートに人気が集中
2020年の3月からの入国制限で観光客が未だに戻ってきていない影響が大きく、ホテル業務も行なっていた殆どのサービスアパートが、大幅なプロモーション(割引)で集客を行なっている状況でしたが、2020年にオープンしたプロンポン好立地の高級サービスアパート「Oakwood Suites 24」、同じく2020年オープンにトンローにオープンした「Staybridge Suite」、2020年オープンで最も注目されたチットロムの「Kimpton Maa-Lai」、プロンポン北側の高級サービスアパート「137Pillars & Suites」、安定した人気を誇る高級サービスアパートMarriott 24などは、2020年からのプロモーションで人気が集中し、今現在は空室が非常に少ない状況で賃貸価格が上昇してきています。

それでも単身者の方にとっては有利な状況
高級サービスアパートは、2020年の大幅なプロモーションからの値上げ傾向にありますが、殆どのサービスアパートが、未だに大幅なプロモーション(割引)で集客を行なっている状況です。その影響もあり単身者向けのアパートもプロモーションによる値下げを行っている物件が多いため、ご単身者の方にとってはコロナ前よりも物件の選択肢が多く割安に賃貸できる状況になります。
ただし、物件のポテンシャルの高い主要サービスアパートは、高級サービスアパート同様に空室が少なくなってきていますので、これからお部屋探しされる方、お引越しを検討されている方は、お早めに動き出したほうが良いプロモーションで賃貸できる可能性が高いと思います。

 ご家族の方のお部屋探し

家族用物件は築浅物件に人気が集中している
ご家族用物件で、人気のある物件の特徴は「築浅」「好立地」「適度な広さ」を満たしたアパートです。この3つの条件を満たすご家族用のアパートは、引き続き高い需要があり空室情報が少なくご入居が難しい状況が続いています。駅近需要の増加、生活の利便性から好立地が人気なことは勿論ですが、築浅で広すぎないお部屋が人気の理由は「光熱費が比較的安い」「害虫リスクが少ない」が上げられると思います。
「Thonglor 11 Residence」「31 Residence」「Upper Suites 39」などバランスの良い人気物件は勿論ですが、お部屋の広さやお子様の遊び場に若干不安のある「Villa 24」「Azure」なども高い需要があり空室が出にくい状況になっています。

お子様連れでもサービスアパートが人気
昨年から今年にかけてプロモーションで大幅な値下げがあったこともあり、お子様連れのご家族でもサービスアパートを賃貸されるご家族が多くいらっしゃいました。お子様の遊び場がない(小さい)ことや単身者の方が多いことはデメリットですが、「光熱費が家賃に込みになっている」、「害虫リスクが最も低い」、「シーツやタオルの交換がある」、「メイドさんを雇う必要がない」など、メリットの部分が大きく、アパートよりもサービスアパートを選択される方が増えてきています。

高級家族アパートの人気に陰り?
以前は空室を待たないと入居できなかったようなプロンポンの高級アパート「Baan Jamjuree」「Grand 39 Tower」「Prasanmitr Thani Tower」は勿論安定した人気がありますが、以前よりも空室が目立つようになり、入居しやすい状況で家賃交渉もしやすくなりました。多少築年数が経ってきたこともありますが、入居者の方の一番の懸念材料は「電気代の高さ」です。部屋の広さがある高級アパートは、大きなエアコンを設置されているため、月々の電気代が平均で10,000バーツ以上、高いお部屋では月々15,000バーツ以上の電気代が掛かってしまいます。
同じような理由で、お子様の遊び場が充実しているスクンビットの定番アパートだった「Grand Sethiwan」「Piyathip Place」「The Residence24」なども空室が多くみられるようになり、お家賃も値下がり傾向にあります。

 賃貸コンドミニアムは厳しい状況

アパートやサービスアパートがコロナ前よりも割安に賃貸できることもあって、オーナー様の対応や管理面に不安があり、お客様の入れ替え時のリノベーションも甘いコンドミニアムはやはり需要が低迷しています。駅近物件の需要の高まりから、「The Diplomat」「The XXXIX」のような「好立地」、「築浅」、「ある程度の広さがある」の条件を満たしたコンドミニアムは一定の人気がありますが、ここ最近完成した殆どのコンドミニアムはお部屋が極端に狭く、築年数が10年以上経ったコンドミニアムは害虫問題に悩まされることが多いため空室が多い状況です。
そのため割安なコンドミニアムの空室情報が多い状況にありますが、コンドミニアムのマイナス点を理解した上で、アパートやサービスアパートと総合的に条件を比較し賃貸されることをおすすめいたします。

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バンコク不動産歴11年の経験から、バンコクの不動産情報を中心にバンコク生活が豊かになる情報をお届けします!

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