バンコク博物館巡り【エラワン・ミュージアム】

2022.12.29

JIROKO

【この記事はタイローカルに詳しい不動産屋さんの『JIROKO』が書いています】

バンコク博物館巡りというタイトルではありますが、今回はバンコクの隣県であるサムットプラカーン県の博物館をご紹介します。
ものすごい大きな象の像と素敵なステンドグラスが魅力的で、BTSの延伸に伴って気軽にサクッと立ち寄ることが出来るようになりました。
バンコク博物館巡りの第四弾はエラワン・ミュージアムをご紹介します。

エラワン・ミュージアムとは

バンコクの隣県サムットプラカーン県にある博物館で、レック・ビリヤパン氏とその妻のプラパイ・ビリヤパン氏が建造を開始して、夫妻の息子のパーピアン・ビリヤパン氏が2003年に完成させました。
彼らはサムットプラカーン県のムアン・ボーラーンとパタヤのサンクチュアリ・オブ・トゥルースも建造をしています。
現在、エラワン・ミュージアムはムアン・ボーラーン株式会社が運営をしています。

この博物館の名称にもなっている『エラワン』はヒンドゥー教のインドラ神の乗り物である巨大象を意味しています。
博物館の名を冠するだけある巨大な象がこの博物館最大のビューポイントです。

屋外は問題ありませんが、象の中ではショートパンツやミニスカート、ノースリーブが禁止されています。
服装には注意をするようにしましょう。

施設全体の老功化は少々気になりますが、衝撃的な象の大きさと、象の中にあるステンドグラス&天井画は大変美しく、一見の価値ありです。

入り口は西側と北側の2ヶ所にあります(写真1枚目は西側の入り口、写真2枚目は北側の入り口です)。
BTSから歩いてくる場合は西側の入り口のほうが近いですが、入り口の大きさは北側のほうが大きいです。

入場料

エラワン・ミュージアムの外国人の入場料は大人400バーツ、子供200バーツです。
タイ人は大人250バーツ、子供125バーツです。
労働許可証やタイの免許証を提示することで、タイ人料金で入場が可能です。

パンフレットはありません。
チケット売り場の前に敷地内のマップがありますので、写真に撮っておくと便利です。

巨大象の足元にある地下の博物館は撮影NGですが、それ以外の場所は全て撮影OKです。

営業時間

毎日9時〜18時に開館しています。

全体的に眺める程度なら20分もあれば十分です。
しっかりと見たい場合でも40分〜1時間程度の時間があれば足りると思います。

巨大象内部の最上階近くの螺旋階段の途中と、一部のお土産屋さんにエアコンの設置がありますが、基本的に涼しい場所はほぼないと思っておいたほうが良いです。

博物館の回り方

特別な順路はなく、回り方に指定はありません。
寺院内に一方通行はなく、自由に見て回ることが可能です。

非常に細かいですが、象内部1階の左右に分かれる階段は左側から上り、右側から下りるルールがあります。

巨大象の像

エントランスから中に入ると、圧巻の大きさの巨大象がお出迎えをしてくれます。
とにかく大きな象は総重量250トン(象150トン+土台100トン)、高さ 43.60メートル(象29メートル+土台14.60メートル)、長さ39メートルで構成されています。

象の目の前にはお参りの場所があります。
お参りの一式(花と線香)はチケットを提示すれば無料でもらえるので、お参りの場所近くでもらうようにしましょう。

お参りは周りのタイ人の真似をすることで十分かと思いますが、手順は下記の通りです。

①靴を脱いでお参りの場所に上がる
②蝋燭の火で線香に火をつける
③座って火のついた線香と花を挟んで手を合わせる
④線香を灰の入った鉢に供える
⑤花をザルの中に供える

巨大象の足元のコレクションルーム(地下の階層)

象の足元(地下)にはコレクションルームがあります(地下への入り口は下記写真の赤丸を参照)。
地下のコレクションルームは撮影不可なので写真はありませんが、レック・ビリヤパン氏のコレクションである古代の工芸品や陶磁器が展示されています。

この地下のことは『スワンナプームの階層』と呼ばれていて、古代で使用されていた工芸品や陶磁器を展示することでタイの古代を表現している階層になります。

また、ヒンドゥー教の水の神様である蛇神ナーガの像がこのフロアの真ん中に設置されていて、タイの古代の象徴とされています。

流麗な階段とステンドグラス(地球の階層)

象の中は土足厳禁なので、靴を脱いで建物の中に入りましょう。
建物の中に入ると、左右に展開する流麗な階段と美しい天井のステンドグラスが眼前に広がります。

この1階のフロアは『人間が住む地球の階層』を表現していて、東洋と西洋が織り混ざっています。

上方に大きく展開するステンドグラスは地球をモチーフにしていて、ドイツ人のアーティストであるヤコブ・シュワコプト氏がデザインしました。
地球を表現したステンドグラスは4つの色を使用していて、それぞれ意味を持っています。
黄色は土、白色は風、赤色は火、青色は水を表現していて、外側の層には12の干支の絵が描かれています。

1階の四方にある4本の柱は八角形をしていて、錫(スズ)で造られています。
4本はそれぞれ仏教、ヒンドゥー教、大乗仏教、キリスト教を表現していて、1本ずつ異なるデザインが施されています。

空間を利用した迫力のある階段はとても美しい構造で、左右に分かれています。
咎められる訳ではありませんが、時計回りに上り下りをするルールがあるので、上るときは左側の階段から、下りるときは右側の階段からするようにしましょう。

巨大象の最上階(天国の階層)

上へと続く螺旋階段は『天国の階層』への階段になりますが、結構階段を上ることになりますので、小さなお子様連れの方や体力が不安&疲れている方は隣に併設されているエレベーターを使用しましょう。
私は下りるときだけエレベーターを使いました。

螺旋階段の壁や天井には神々や妖精が描かれていて、少しメルヘンチックな様相になっています。
階段はそこそこ長いのですが、体力に自信のある方は是非上ってみてください。
ただし、かなり狭い空間を上っていくことになりますので、狭いところが苦手な方はやめておきましょう。

螺旋階段(またはエレベーター)を抜けると、宇宙を表現した天国の階層に到着します。
このパステルカラーの天井画はドイツ人アーティストによって造られたもので、太陽と8つの惑星、天の川や隕石群が描かれています。

中央にはブッダの足跡が展示されていて、周囲にはスコータイ様式の仏像が並べられています。
上方一面に拡がる天井画は本当に美しく、ここでじっくりと天井画を眺めている方もいるようです。

10の巡礼ポイント

エラワン・ミュージアムでは10ヶ所の巡礼ポイントを回ることを推奨しています。

プラケット・チュラマニー・チェディ

この仏塔はインドの様式とアユタヤの様式を組み合わせて建造されました。
下の仏像は7つに分かれていて、それぞれ誕生日の曜日で分類されています。
自分の曜日の仏像のところでお参りをしましょう。

四面仏ブラフマー神

ブラフマー神はシヴァ神とヴィシュヌ神と並ぶヒンドゥー教の三大神で、4つの顔と4本の腕を持つ創造神です。
仕事や恋愛、健康など様々なことにご利益があると言われている神様で、タイでは人気のある神様です。

ヴィシュヌポンの象

ヴィシュヌ神が造った8頭の象で、富をもたらすと言われています。
象の下を通ると、「パオーン」という象の鳴き声が聞こえることがあります(お腹にスピーカーのある象に限定されますが、スピーカーが壊れていて鳴らないこともあります)。

三神一体トリムルティ

ヒンドゥー教の最高神であるシヴァ神とヴィシュヌ神とブラフマー神の三神が一体化したもので、5つの頭と6本の腕を持ちます。
健康や繁栄の願いを叶えてくれる神様です。

シヴァポンの象

シヴァ神が造った8頭の象で、権力や健康、仕事運をもたらすと言われています。
この象の下を通っても「パオーン」という象の鳴き声はありません。

ガネーシャの廟

ガネーシャ像は太鼓腹の人間の身体に片方の牙が欠けた象の頭をもった富の神様で、4本の腕を持っています。
障害を取り去って財産をもたらすと言われていて、商業の神様や学問の神様でもあります。

観音菩薩

観音菩薩は大乗仏教の菩薩で、左手に聖水を持つ立像であり、慈悲を象徴としています。
唐の時代に人気があった女性の形を象っています。
病気を取り払ってくれるご利益があります。

エラワン象に乗ったインドラ神

インドラ神とはインド神話の軍神で、嵐と雷を司る雷神でもあります。
このインドラ神は自身の乗り物であるエラワン象に乗り、天国や地上を飛び回って平和であるかを確認し、善良な市民に悪と戦う手段を与えてくれる寛大な神様です。

ブラフマーポンの象

ブラフマー神が造った10頭の象で、知識や技術をもたらすと言われています。
象の下を通ると、「パオーン」という象の鳴き声が聞こえることがあります(お腹にスピーカーのある象に限定されますが、スピーカーが壊れていて鳴らないこともあります)。

天国の階層

既に解説済みですが、象の中の最上階にある天国の階層が10番目の巡礼ポイントです。

アクセス

BTSチャーン・エラワン駅から徒歩8分の距離にあります。BTSの延伸に伴って、格段にアクセスしやすくなりました。
徒歩が少し厳しい方はBTS駅からタクシーやバイクタクシーを使うことをオススメします。

バンコク中心地からタクシーを使ってもアクセスしやすいので、面倒な方は最初からタクシーでも良いかもしれません。

JIROKO

バンコクの不動産賃貸を取り扱う『alphabet home』のアフターケア担当。JICAボランティアを皮切りに、タイ生活は14年目に突入。バンコクの生活で困ったことや役に立つ情報、面白いことをご紹介していきます。

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